有給を取らないとボーナスが増える制度は問題?|社労士us.office 給与計算アウトソーシング
「有給を取らなかった社員にはボーナスを上乗せする」という制度は、一見すると努力を評価する仕組みに見えます。しかし、有給休暇を取得しづらくする制度は法的な問題につながる可能性があります。
今回は、有給休暇と賞与評価の考え方、経営者・人事担当者が注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
有給休暇は安心して取得できる制度
有給休暇は従業員の大切な権利
有給休暇は心身のリフレッシュや仕事と生活の両立を目的とした制度です。「休んでも給与が減らない」という安心感があるからこそ、従業員は必要なタイミングで休暇を取得できます。
仕事の成果を評価することとは別
賞与や人事評価で、
・業務の成果
・仕事への取り組み
・チームへの貢献
などを評価することは問題ありません。 一方で、「有給休暇を取得したかどうか」を理由に評価に差をつけることは、慎重に考える必要があります。
有給取得で不利益が生じる制度は要注意
有給を取得した社員より、取得しなかった社員の賞与を増やす仕組みは、「有給を取ると損をする」という印象を与えます。結果として、有給休暇を利用しにくい職場環境を生み出す可能性があります。
「有給を取らないと得」が招くリスク
休暇を取りづらい職場になる
賞与が有給取得日数に左右されると、
・ボーナスを減らしたくない
・周囲に遠慮して休めない
・体調が悪くても出勤する
といった状況が起こりやすくなります。本来の制度の目的とは逆の結果になってしまいます。
「減額していないから問題ない」とは言えない
「有給を取った人の賞与を減らしているわけではなく、取らなかった人を加算しているだけ」と考える企業もあります。しかし、結果として有給を取得した人が不利になる仕組みであれば、制度の内容によっては問題になる可能性があります。
健康管理や職場環境にも悪影響
有給休暇を取得しにくい職場では、
・疲労の蓄積
・モチベーションの低下
・人材の定着率低下
などにつながることもあります。従業員が安心して休める環境づくりは、企業にとっても重要な課題です。
経営者・人事担当者が見直したいポイント
評価は成果や貢献を基準にする
賞与制度は、有給休暇の取得状況ではなく、
・業務成果
・改善提案
・チームへの貢献
・目標達成度
など、仕事そのものを評価基準とすることが望ましいでしょう。
制度の目的を再確認する
賞与制度を設計する際は、 「従業員にどのような行動を促したいのか」 を明確にすることが重要です。有給休暇の取得をためらわせる制度になっていないか、一度見直してみることをおすすめします。
有給を取得しやすい職場づくりを進める
近年は、有給休暇の取得促進が企業にも求められています。取得率だけでなく、
・計画的な休暇取得
・業務の引き継ぎ体制
・管理職の意識改革
などを進めることで、従業員が安心して休める環境づくりにつながります。
まとめ
重要ポイント
「有給を取らなかった人の賞与を増やす」という制度は、一見すると公平に見えるかもしれません。しかし、有給休暇を取得した人が実質的に不利になる仕組みは、有給休暇の目的に反し、法的な問題となる可能性があります。
賞与制度が従業員の休暇取得を妨げる内容になっていないかを定期的に確認し、成果や貢献を適正に評価する制度づくりを進めることが、健全な職場環境づくりにつながるでしょう。
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代表 梅津亮太
北星学園大学3年時に行政書士、4年時に社会保険労務士試験に合格。学生時代から勤めていた税理士・社会保険労務士・行政書士事務所に就職し社労士の業務を経験。およそ3年間勤めた後、退職しカナダトロントに留学。海外生活を通じ価値観や人生観を学び、帰国後2020年6月に社会保険労務士us.office開業。クラウドシステムの導入支援をはじめ、多角的な労務業務の改善から労務相談まで対応。
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