複数の会社で働くとき、残業代はどうなる?|社労士us.office 給与計算アウトソーシング

query_builder 2026/01/21
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 ダブルワークをする方や認める会社は増えています。この複数の会社で働くときの残業代について、正しく理解していなければ未払いの残業代が発生する可能性があります。

通算で考える

労働時間は「会社が違っても足し算」になります

 法律上、労働時間の上限は1日8時間・1週間40時間です。この時間数を超えると残業代の支払い義務が発生しますが、働く会社が違っても労働時間は通算(足し算)されます。例:昼の会社で8時間+夜の会社で4時間=合計12時間 → 8時間超の4時間が残業です。

残業代を払うのは「その後に働かせた会社」

 原則、その日8時間を超えた後に働かせた会社が割増賃金(残業代)を支払います。ただし、先に夜の会社で働いていた人を、後から昼の会社が採用した場合は、後から採用した会社が残業代を負担することになります(採用時に他社で働いていることを把握し、管理できる立場のため)。

例外と注意

・夜の会社が昼の勤務を知りつつ夜にさらに残業を命じた分は、夜の会社が負担するのが相当です。

・片方を休みその日の通算が8時間以内になった場合、残業代は発生しません。

・会社が他社で働いていることを知らなかった期間について、過失(ミスや落ち度)がなければ直ちに違反とまでは言えませんが、把握後は適正な残業代の支払いが必要です。

事例で整理:昼8時間+夜4時間のBさんの場合

事実関係

 Bさん:夜のC社(4時間)で先に働いている → 後から昼のA社(8時間)に採用。この日:A社8時間勤務後にC社で4時間勤務 → 合計12時間。

どの会社が残業代を払うか

 このケースでは、後から採用したA社が、8時間を超えた4時間分の残業代(25%割増)を支払うのが原則です。理由:A社は採用時点で他社で働いていることを確認・配慮できる立場にあるため。

健康面のリスクも無視できません

 12時間労働が続くと、月の残業が80時間超(過労死ライン)に達しやすく、健康管理の観点からも危険です。会社は、働き方の実態把握と長時間抑制に努める必要があります。

会社が今すぐ整えるべき実務対応

情報を集める仕組みをつくる

・副業、兼業の申告制度:他社の勤務先・曜日・時間帯を申告。虚偽や未申告時の対応も明記。

・通算管理の同意取得:必要に応じ、本人経由で他社の勤務実績(写し・証明)提出を求める運用。

・採用時チェック:応募段階で他社で働いていないかを確認し、シフトの時間や残業時間を調整。

就業規則・契約の整備

・副業、兼業方針:原則可否、申告義務、健康確保措置、各社での残業抑制の優先順位を明文化。

・割増賃金の扱い:通算で8時間超となる場合の支払会社・手続・証拠の取り扱いを定める。

・安全配慮条項:残業が常態化する場合の勤務時間削減・勤務変更・就業制限の発動基準を記載。

運用のコツ(現場向け)

・シフト作成時に通算を意識:他社勤務日・時間帯をカレンダーで可視化。

・残業指示は慎重に:通算で8時間超が見込まれる日は、原則残業禁止または上長承認制に。

・記録を残す:本人申告、確認書類、指示・配慮の履歴を文書化し、後日の説明可能性を確保。

まとめ

チェックリスト

・会社が違っても労働時間は通算 → 8時間超は残業扱い。

・残業代は後から働かせた会社が原則負担。先に夜→後から昼の採用なら昼の会社が負担。

・副業申告、通算管理、健康配慮を規程化し、支払手順と証拠を明確化。

・12時間労働の常態化は安全配慮義務の観点でもNG。運用で抑制を。

副業・兼業が当たり前の今こそ、「誰がどれだけ働いているか」を見える化し、法令遵守と健康確保を両立させる仕組みづくりが重要です。

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