完治が見込めない社員への対応は?人事が知っておくべき判断と手順|社労士us.office 労務相談
社員が私生活での病気やけがにより長期休職し、回復の見込みが立たない——。そんなとき、人事担当者は「このまま待つべきか」「退職を検討すべきか」で悩むことが多いでしょう。
ここでは、完治が難しいケースにおける判断の考え方と、会社が取るべき対応を整理します。
まず行うべきは「状況の正確な把握」
健康状態を正確に確認する
社員から病気やけがの報告があった場合、まずは主治医の診断書をもらうだけでなく、産業医との面談を行うことが重要です。主治医は仕事内容や職場環境を詳しく知らないこともあり、本人の「早く復帰したい」という思いが診断内容に影響することもあります。そのため、会社側も客観的に状況を確認する必要があります。
労災か私傷病かを区別する
けがや病気が仕事に関係しているかどうかで扱いが変わります。仕事や通勤が原因であれば「労災」、それ以外(プライベートでの事故など)は「私傷病」として扱われます。この区別を明確にしておくことで、その後の休職や補償の対応がスムーズになります。
本人や家族の希望だけで判断しない
「あと少しで治りそう」「早く職場に戻りたい」といった本人の希望だけで判断すると、再発やトラブルの原因になることがあります。必ず医師の意見と会社側の実情を総合的に見て判断しましょう。
休職制度の仕組みと会社の役割
休職制度は会社が定めるルール
休職は法律で一律に決まっているものではなく、各社の就業規則で定める制度です。たとえば、「6か月間休職できる」「14日以上欠勤したら休職扱い」など、企業ごとに異なります。期間や給与の扱いを社員に周知しておくことが大切です。
休職期間が満了したら?
多くの会社では「休職期間が終わっても治癒していなければ、自然退職または解雇」と定めています。ただし、その時点での健康状態をしっかり確認せずに解雇すると、後にトラブルになるリスクがあります。医師の意見と会社の対応記録を残すことが重要です。
休職中も定期的にコミュニケーションを
休職中は、会社と社員が疎遠になりがちです。回復状況や復職希望を定期的に確認することで、無用な誤解や不信感を防げます。人事から声をかけ、状況を共有する姿勢が大切です。
回復が難しい場合の判断と対応
まずは「できること」を探す
完治が難しい場合でも、いきなり退職や解雇を考えるのではなく、可能な働き方を検討します。
たとえば、
・他部署への異動(立ち仕事→事務職など)
・座ってできる業務への配置転換
・時短勤務の提案
こうした配慮を検討し、それでも難しいときに次のステップに進みます。
異動や配慮が不可能な場合の最終判断
職場に適したポジションがない、または本人の状態が業務に大きく支障をきたす場合は、やむを得ず退職・解雇となることもあります。ただし、この判断に至るまでの過程(対応の履歴・検討内容)をしっかり残しておきましょう。「できる限りの配慮をした」という証拠が、会社の信頼を守ります。
最後まで誠実に説明する
解雇や退職を伝える際は、本人に納得してもらえるよう丁寧に説明することが欠かせません。「会社としてできる限りのことをした」という姿勢を見せることが、感情的なトラブルを防ぎます。
まとめ
誠実な対応が会社を守る
病気やけがによる休職・退職対応は、どの企業にも起こりうる問題です。
・健康状態を正確に把握する
・休職制度を明確に運用する
・配慮を尽くした上で最終判断を下す
この3つのプロセスを丁寧に進めることが、トラブル防止と会社の信頼維持につながります。
治っていないから解雇」ではなく、
「会社として誠実に対応した結果としての判断」——
その姿勢こそが、社員にも社会にも信頼される企業のあり方です。
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