そのシフト、残業代が不要とは限らない?1か月単位の変形労働時間制の正しい理解|社労士us.office 勤怠管理システム導入支援
従業員の勤怠管理において「1か月単位の変形労働時間制(以下、1か月変形)」を導入している会社は少なくありません。ですが、この制度を正しく理解せずに運用してしまうと、意図せず違法な労働・未払い残業代が発生してしまうリスクもあります。
今回は特に誤解が多いポイントを中心に、1か月変形を導入・運用する上で押さえておきたい基礎知識を解説します。
1か月変形とは
「1か月変形」は“柔軟な働き方”のための制度
1か月変形とは、1か月の中で労働時間に波を持たせることで、平均して週40時間以内に収まっていれば残業にはならないという制度です。
例えば、
31日の月 → 177.1時間、30日の月 → 171.4時間といったように、月の日数に応じた上限時間が設定されており、この上限時間を超えなければ残業にはなりません。
最大の落とし穴:「その日次第」の勤務時間調整はNG!
よくある誤解が「今日は暇だから6時間、明日は忙しいから10時間」というように、日々の業務状況に合わせ、その場で労働時間を変えることができると思ってしまうケースです。
実はこれ、完全にNGです。1か月変形は「あらかじめ(=月の開始前に)働く日と時間を決める」ことが大前提。つまり、日々の勤務時間はシフト作成時点で明確にしておかなければならないのです。そして、そのシフトを超えて働いた時間は、たとえ月の上限時間以内であっても残業として扱われる点にも注意が必要です。
実際の運用方法
どんな職場に適している?向いていない業種も
この制度が向いているのは、以下のようなケースです。
・業務の繁閑が事前に予測できる業種(例:製造業、保育、夜勤対応など)
・夜勤など、1日8時間を超える勤務が必要な職場
逆に、飲食業のようにその日にならないと忙しさがわからない業種には不向きです。現場の判断で時間調整をしてしまうと、制度の趣旨から逸脱し、未払い残業の温床になりかねません。
週休3日・1日10時間勤務も「変形労働時間制」なら可能
近年では「1日10時間 × 週4日勤務」というような新しい働き方も出てきました。これも通常の労働時間制度では難しく、1か月変形や1年単位の変形労働時間制があってこそ成立します。
こうした柔軟な制度設計は、従業員の多様な働き方ニーズに応える上で有効ですが、同時に正しい制度理解と運用が必須です。
残業代の集計が特に複雑!
1か月変形を正しく運用するには、単にシフトを作るだけでは足りません。その日のシフトを超えた労働か? 月間の上限を超えたか?割増の対象か否か? など、集計には高い知識と正確性が求められます。
多くの現場でこのあたりが曖昧になっており、悪意なく未払い残業が発生してしまっている例も珍しくありません。
まずは現状の確認から!
1か月変形を導入しているつもりが、実は制度上成り立っていなかったという状態は意外とよくある話です。
「うちは普通のシフト制なのか?」「1か月変形を正しく使っているのか?」「残業代の計算は適正か?」 これらをチェックすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
なお、1か月変形の正しい運用のためには勤怠管理システムの導入がおすすめです。
まとめ
働き方の選択肢が増える時代こそ制度の理解が鍵
働き方の柔軟性が求められる今、変形労働時間制は大きな選択肢の一つです。ですが、柔軟性の裏にあるルールを知らないまま運用してしまうと、逆にリスクを高めることになります。
従業員にも誠実な運用をするために、経営者・人事担当者として正しい理解と仕組みづくりを心がけましょう。
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