育児休業制度ちゃんと理解していますか?~経営者・人事のための基礎知識~|社労士us.office 労務手続き代行
「育休を取りたい」という社員からの申し出。会社として、どう対応すべきか戸惑った経験はありませんか?
今回は育児休業制度の基本と企業側が気をつけたいポイントを経営者・人事担当者の視点でわかりやすく解説します。
育休とは?
育休、申し出られたら「原則OK」が基本ルール
育児休業は「育児・介護休業法」で定められた労働者の権利です。そのため、従業員から申請があった場合、原則として会社はこれを断ることはできません。
「忙しいから」「代わりがいないから」という理由は、法的には一切通用しないのです。
誰が対象?以前と違う点もチェック
以前は「1年以上の勤務」が必要とされていた育休も、今は条件が緩和され、入社間もない社員でも対象になる可能性があります。
ただし、以下のような例外には注意が必要です。
・明らかに子が1歳6ヶ月になる前に契約終了が確定している契約社員
・日雇いで働く方
・週の勤務日数が2日以下のパートタイマー
これらの条件に該当する場合、育休取得が認められないことがあります。
なお、育児休業が取れることと育児休業中の給付金がもらえることは必ずしもリンクしないので、分けて考えるようにしましょう。
育休の対応
いつ申し出る?できれば「早めの相談」を
法律上は「育休開始予定日の1ヶ月前」までに申し出ればOKですが、現場対応を考えるとそれでは遅すぎるケースが多いでしょう。妊娠が判明し、出産予定日がわかった段階で、本人と会社で話し合いを始めておくのがベストです。
従業員に強制はできないですが、産休や育休取得に好意的な姿勢を見せ、なるべく早めに相談してほしいことを会社として周知できているといいでしょう。
育休中に働くのはアリ?ナシ?
原則として育休中に働くことはできません。ただし、臨時的・一時的な業務(トラブル対応・専門指導など)で、本人と会社の合意があれば認められる場合があります。
重要なのは「一時的」「育休に支障がない範囲」「本人の意思」が揃っていることです。なお、継続的に働いた場合、育休が終わったと判断され給付金が支給されなくなるリスクがあるので注意してください。
万が一、育休申請を拒否したら…?
法律違反として行政指導や社名の公表など、ペナルティを受ける可能性があります。また、育休取得を理由にした不利益な扱い(解雇、降格、給与減額など)もすべてNGです。
社内のハラスメント防止義務も含め、会社側の対応が厳しく問われる時代になっています。
育休は「取って当然」…でも配慮も大切
従業員にとっては当然の権利である育休も、会社側には業務調整・人員確保など大きな課題が伴います。「制度があるから取れるのは当たり前」といった一方的な考えでは、職場にしこりが残ることもあります。
取得する側も、周囲への感謝や引継ぎへの配慮を忘れずに育休に入れるといいですね。そのためには、双方が「気持ちよく育休を迎えるための準備」が必要です。
まとめ
育休制度は会社の柔軟性と姿勢が問われる
育児休業は会社の「働きやすさ」をはかる重要なバロメーターです。特に中小企業では、たった一人の休業が職場に大きな影響を与えることもあります。だからこそ、制度の正しい理解と現実的な対応力が求められます。
「育休を取る社員」「残る社員」「会社」が一体となって支え合える組織づくりを進めましょう。
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