残業代の計算、大丈夫ですか?~誤りがトラブルの元に~|社労士us.office 給与計算代行

query_builder 2025/08/20
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ChatGPT Image 2025年8月13日 13_35_32

 今回は経営者・人事担当者向けに「残業代の基本的な計算方法」についてお伝えします。 残業代の計算ミスは従業員との信頼関係が崩れる要因になるだけでなく、場合によっては労基署からの是正勧告や未払い残業代請求訴訟といったリスクにもつながります。

 特に最近は従業員側も情報感度が高く、給与明細を細かく確認している方も多いです。「うちはざっくりやってるけど今まで問題なかったから…」という姿勢は危険です。今回はよくあるケースをベースに、時給制と月給制それぞれの残業代計算の考え方を整理していきましょう!

まずは残業時間の定義を再確認

 法律上の残業(法定外労働時間)とは、以下のどちらかを超えた時間です。

・1日8時間

・1週40時間

 これを超えた時間については、通常賃金の25%割増手当(残業代)を支払う必要があります。深夜(22時~翌5時)は、さらに25%の割増手当(深夜手当)が必要です。

 フレックスや変形労働時間制を活用している場合は、1日8時間・1週40時間の残業時間集計の方法が少々異なります。

時給制社員の残業代計算

設定例

・時給:1,000円

・月の働いた時間:100時間(うち残業10時間、深夜時間5時間)

パターン①:割増手当は割増分のみを計算する場合

・通常賃金:1,000円 × 100時間 = 100,000円

・残業代:1,000円 × 0.25 × 10時間 = 2,500円

・深夜手当:1,000円 × 0.25 × 5時間 = 1,250円

・総支給額:103,750円

パターン②:残業と深夜は別で計算する場合

・通常賃金:85時間(100時間 − 残業10 − 深夜5)→ 1,000円 × 85 = 85,000円

・残業代:1,000円 × 1.25 × 10 = 12,500円

・深夜手当:1,000円 × 1.25 × 5 = 6,250円

・総支給額:103,750円(結果は同じ)

どちらもOK

 パターン①・パターン②どちらの方法も問題ありません。ただし、給与明細の内訳が分かりづらいと、従業員から疑問を持たれやすくなるため、内訳についてはきちんと説明できるようにしておきましょう。

月給制社員の残業代計算

設定例

・月給:300,000円(基本給)

・月の働いた時間:170時間(うち残業10時間、深夜5時間)

・1か月に働く時間の平均:163.33時間(年間休日120日の場合)

ステップ①・②

①時間単価を出す 

 月給制の場合、まず「時間単価」を求めます。

・300,000円 ÷ 163.33時間 = 約1,836.7円


②残業代を計算(125%) 

・1,836.7円 × 1.25 × 10時間 = 22,959円

ステップ③:深夜手当の2パターンに注意!

〇パターン①:深夜がシフトの時間内に含まれる場合(例:シフトで14~23時まで)

・深夜手当(25%):1,836.7円 × 0.25 × 5時間 = 2,296円

・総支給:300,000 + 22,959 + 2,296 = 325,255円


〇パターン②:残業が深夜に及んだ場合

 割増率は150%(残業の125%+深夜の25%)

・1,836.7円 × 1.5 × 5時間 = 13,775円

・総支給:300,000 + 22,959 + 13,775 = 336,734円

残業代計算でよくある注意点

〇 1か月に働く時間の平均を正確に

 年間休日数や1日に働く時間数を基に正確に計算しましょう。

〇固定残業代制度を導入している場合は特に慎重に

 内容が不明確、超過分が支払われていないと違法になります。

〇深夜残業の割増は見落としがち

 月給者でよく抜けるのがこの部分です。パターンごとにご確認を。

〇残業が月60時間を超えると割増率は50%

 中小企業でも2023年から適用されています(大企業と同様)。

まとめ

明細と計算根拠が大切です

 給与明細を見て「この残業代、どう計算されているのか分からない」という社員の声は少なくありません。経営者・人事担当者としては、 残業代の算出方法を社内で統一する、明細の内訳を丁寧に表示する、相談があったらすぐに根拠を示せるようにしておくといった基本を押さえておくことが大切です。

トラブルにならないように

 「残業代の未払い」は、最も多い労務トラブルの一つです。仮に違反が発覚すると、過去3年間分の残業代を遡って支払う義務が生じる場合もあります。社内トラブルを未然に防ぐためにも、今一度、自社の給与計算のルールと実際の運用をチェックしてみてください。

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