最低賃金は基本給だけで超えるべき？｜社労士us.office 札幌給与計算アウトソーシング

2021/02/25

ブログ

　給料を決める際に必ず超えなければいけない最低賃金。この最低賃金は基本給だけで超えなければいけないものなのでしょうか。

最低賃金
最低賃金をきちんと確認
最低賃金の算定に含める給料
最低賃金は絶対に守る
1. きちんと制度を理解して
2. アウトソーシング

最低賃金

２種類ある

　最低賃金とは下回ってはいけない給料の下限（時給）額です。この最低賃金には、地域別（都道府県別）と特定（産業別）という２種類があります。

都道府県別最低賃金

　多くの皆さんが適用されているのがこの都道府県別の最低賃金です。働いている場所によって最低賃金があり、北海道は８６１円、東京は１，０１３円、沖縄は７９２円（2021.2現在）、このように決まっています。

特定（産業別）最低賃金

　都道府県別ではなく、特定の産業・地域ごとに決まっている最低賃金があります。場所ではなく、産業ごとに定めることが必要な場合に決められています。都道府県別、産業別どちらも適用される場合は、金額の高い方が優先されます。

最低賃金をきちんと確認

誰もが対象になる

　働いて給料をもらう場合は時給でも月給でも、パートでもアルバイトでも最低賃金は上回らなければいけません。最低賃金より低い金額で契約を結んだとしても、その部分は無効になり、最低賃金額で契約を結んだことになります。

時給で確認

　最低賃金は時給で決まっています。そのため、時給の場合はそのまま比較すればいいだけですが、日給や月給の場合は時給（１時間単価）に換算して最低賃金と比較することになります。※特定（産業別）は日額で定められていることがあるので、日給制は日額で比較。

どのように計算をする？

　日給の場合【日給/１日の所定労働時間】、月給の場合【月給/１月の所定労働時間】で時給（１時間単価）を計算します。所定労働時間とは、契約で決まっている働く時間のことです。なお、日や月によって働く時間にばらつきがある場合は、それぞれ１週間での平均所定労働時間、１年間での平均所定労働時間で計算をします。時給や日給、月給が混ざっている場合はそれぞれで時給（１時間単価）を計算して合計した金額と最低賃金を比較します。

最低賃金の算定に含める給料

基本給だけで判断？

　時給（１時間単価）で最低賃金との比較を行いますが、時給（１時間単価）を計算するときは、基本給だけで考えるわけではありません。各種手当も含めて考えるのですが、算定に含めるもの、含めないものが決まっています。

含めない給料

　臨時に支払われる賃金、１ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金、所定労働時間以外での賃金、所定労働日以外での賃金、深夜割増賃金、精皆勤・通勤・家族手当、これらは最低賃金を確認するときに除外して計算をしなければいけません。

簡単にいうと

　臨時に支払われる結婚祝金、賞与、残業代などを含めないで最低賃金を上回らなければいけません。つまり簡単にいうと、雇用契約で決まっている月額の給料から、含まれない手当（精皆勤・通勤・家族）、ある場合は固定残業代を除いた金額で最低賃金と比較するということです。※詳細は手当の性質やケースによって異なります。

つまり

　必ずしも基本給だけで最低賃金を上回らなければいけないわけではありません。基本給＋職務手当で最低賃金を上回っているというケースも違法ではないのです。

基本給だけで上回ろう

　基本給だけで考えるわけではないのですが、最低賃金制度の目的、基本給や各種手当の性質から考えて、基本給だけで最低賃金は上回るべきでしょう。最低賃金はあくまで【最低】の基準なので、最低賃金があることにより給料が下がってはいけません。

最低賃金は絶対に守る

きちんと制度を理解して

　対象になる最低賃金、最低賃金のチェック方法etc。きちんと制度を理解して、法律違反にならないよう、最低賃金を基準に低い給料を決めることのないよう、気をつけましょう。

アウトソーシング

　各種手当など会社にあった賃金制度の構築、給与計算のアウトソーシングについて、お困りの際はお気軽にus.officeにご連絡ください。

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